ゲーム開発者に学歴は必要か?

先日facebook上で「ゲーム開発者に学歴は必要か?」という議論を見かけました。実際幾つかの中学校や高校で講演をした際に似たようなことを聞かれた記憶もあります。で僕なりに周囲を見て考えてみました。

結論としては

1)理系の学部であればプログラマとしては有効な学歴となるケースが多い

2)誰でも知ってる難関大学であれば「受験勉強をして合格した」というレベルの「計画的に努力できる」素質はあるとみなされるので多少は有効

3)学歴がどうあれ他人が評価できるレベルの創作物(ゲームが最適だが演劇でも漫画でも何でも良いから発表して世間の評価を受ける)を複数作っているのは「モノづくり」の大変さも面白さも分かっていると評価されるのでかなり有効

かなあと思いました。

1)に関して現在は学校でプログラム教育をしていますが、ゲーム屋のプログラマには高等数学が求められるケースが増えているので理系に進学するレベルの数学や物理での知識はあると有利かなと思います。

2)に関してかつて僕が勤めていた会社で超有名校の優秀な学生を面接したことがありますが、確かに優秀ではあるけどゲーム制作経験自体は全くなかったので向いているかどうか判断できなかったんですよね。頭の回転も速いし前述のように計画的に努力できるタイプだとは分かっていたのでおそらく入社したらそれなりに活躍できるだろうとは思いましたが、一応「もしかするとあなたには合わない業界の可能性もある。今まで自分が得意としてきたことが生かせないかもしれないのでよく考えてくださいね」と伝えたことがあります。

3)はとにかく数が重要で、できるだけたくさんの作品を、なるべく多人数で制作し、世間に公表してフィードバックを受けるということをしてもらいたいと思います。こっそり自分だけで作って誰にも見てもらわないなんてのはほとんど意味がありません。※自分のクリエイティビティ向上や趣味としてはいいと思いますが。

僕が面接官をしていたころは「ゲームにかける情熱だけはだれにも負けません」みたいなことを言う人が沢山いましたが、おそらく今ならこう問い返すでしょう。「で、その情熱で今まで何本のゲームを作ってきたんですか?」と。昔と違って今はネット上にフリーの開発ツールも教材も転がっている状況ですから、情熱がある人なら何らかの形でゲームを作ってるはずなんです。なのでそれができてない段階で大した情熱がないと思われるでしょう。

将来ゲーム開発者になりたくて進学を悩んでいる人の参考になれば幸いです。