観察力を鍛えるには?

ここ数年、良いアウトプットのためには良いインプットと思い、良いインプットのためには観察力を高めるのが重要だと考えていたものの、観察力をいかに上げるか?というメソッドが思いつかないでいた。
本を読むと絵画とか人間観察的なものが推奨されてたんだけどもっとなにかいいものないかなあと今朝子どもと話していて気がついたのが映画と推理小説の「繰り返し見(読)」
最近は倍速で映画を観る人も多いらしいけど、映像から文脈を読み解く能力はついてるんだろうか?と気になりまして。ドラマと映画はそこが決定的に違ってて、映画は集中して観ることが前提なのでセリフで語るのではなく基本的には絵で見せる訳ですが倍速見だとおそらくそういうワンカットは観れてない。倍速見反対おじさんはよく「間を楽しめない」的なことをいうけどそういう「味わい」みたいな文脈じゃなくて1カット見逃すだけで多くの情報が抜け落ちてるわけで、セリフと大きな動きだけ追っかけるのでは「あらすじ」しか理解できない。
同じ映画を繰り返し観ることで映像で語る文脈というのが理解できるんだと思うわけです。初見だと気づかなかった伏線やキャラクターの特徴づけの小道具なんかが二回目以降だと見えてくる。三回目以降だとなぜこういう設定、アングルにしたのかなど製作者の意図までなんとなく感じることができる。(正解かどうかは分からんけど)
それがわかりやすい形になってるのが推理小説で初回はストーリーを追うだけなのが、結末を分かって読むと「あーなるほど」と思うところだらけでそれも映像を読み取るようなスキルがなくても「書いてる」わけで。
好きな映画や推理小説をいろんな角度から楽しんでみるというのが観察力を鍛えるのには向いてるなー、僕はそれを楽しんでやれてたんだなと気がつきました。さらに自分で映画撮ってみるとか小説書いてみるとかすれば観察力は必要に迫られてさらに増強される、んではないかと。
面白い映画だとついつい感情移入しすぎて没頭してしまうから映画の感想をブログに書いてみるくらいしてみると客観的に観察できるかもしれない。

クリエイティブとは何か?

クリエイティブとは何か?に関して僕なりの仮説を立ててみた。クリエイティブとは要するに「視点の多様性」ではないか?よく言われる「引き出しの多さ」なんていうのはまさに視点の多様性を指してると思うし、全く新しいアイデアってのは既に存在してなくて幾つかのアイデアの組み合わせっていうのも「視点の多様性」だと。
視点の多様性ってのは色んな人にエミュレートする能力と言い換えてもいいかもしれない。ゲームの場合なら例えば
プレイヤーサイドだと
・10代、20代、30代、40代、50代
・男女(&LGBTQ)
・すげー初心者
・中級者
・上級者
無課金
・微課金者
・廃課金者
・アチーバー
・ソーシャライザー
・キラー
製作者サイドだと
・プランナー
・グラフィッカー
・ディレクター
・プロデューサー
・テスター
会社サイドだと
・マネージャー
・営業
・マーケ
・経営
社外の関係者だと
・株主
・販売会社
・開発会社
・流通会社
・広告会社
などなど様々な視点をエミュレートして全体最適の解をどんどん出していくことがクリエイティブなのかなあと。
モチロン単独の視点でも素晴らしいアイデアでありクリエイティブは生まれるとは思うけど、できるだけ多くの視点(もちろん重み付けはある)にエミュレートし、満足させるアイデアの方が成功する確率は高いだろう。
なのでクリエイティブにとって大事なのは「視点をいくつも持つ」ということなのかなーと。

「部活」をもっと社会に開放すれば教育は変わる!?

こないだオンラインミーティングで教育について語り合っていた時に出たアイデア

「部活」の顧問を外部に委託すれば現状起こっている教育上の様々な問題が解決するんではないか?解決する問題としては

1)教師の労働時間削減

2)学校の教師や生徒が「社会」に触れる窓口になる

3)様々なプロが指導することでより現実的に夢をかなえるステップになる

4)やりたい「部活」(例:youtuber)がなくて帰宅部になってしまう

5)「部活」をやる中で勉強の大事さを理解しやすい

などなど。

もちろん外部の人をいきなり顧問にするのは色んな意味で難しい。が、例えばオンラインでの指導、というか生徒さん主体の部活動で分からないことをアドバイスするような形だったらどうだろうか?オンラインなら直接の接点を持たずにコミュニケーションすることもできるから親や学校が心配するようなセキュリティ的な心配はかなり薄れるんじゃないか?と思う。※この辺はマッチングサイトを適切な形で運用すれば技術的には解決できそう

報酬に関しては当面はボランティアでも結構集まるんじゃないか?と思ってます。自分の持つ知識やノウハウを子どもたちに教えてあげたいという大人はたくさんいるはず。例えばオンラインで週に1時間程度ならリモート作業中に抜け出してやれるなんて人もいるだろうから、学校に実際に行って指導する場合と比べると時間の負担は相当減る。

一番いいなと思うのは今子供たちが興味がある「部活」を自由に作れるということ。

今までの流れでできてきた「部活」しかない学校が多いから、入りたい部活がない!なんて学生は非常に多いんじゃないかと思う。例えばなりたい職業としてよく上げられるyoutuberやゲームクリエイター、eSportsなんてたまに気の利いた学校に部活があるみたいなニュースを見かけるけど逆に言うとほとんどの学校にはそんなものはない。高校生くらいになればもっといろんな部活があるかもしれないけど中学生くらいだと定番の部活しかないところが多いんでは?例えばアニメ「けいおん」とか「ゆるキャン△」みたいな部活動で盛り上がろうとしてもそもそも軽音楽部がなくて吹奏楽部しかないとか、キャンプ部みたいなのはなくて登山部しかないとかやりたい部がないことが多いんじゃないかなあ?

現場の先生は忙しいしそもそも質問されても答えるだけの知識もなかったりするから顧問にもなれず、顧問もいないから部として承認されない。でもやりたいことを一生懸命やれる機会って子どもにとってはものすごく大切なはず。なので外部からプロを連れてきて子供のやる気をサポートしてあげるって人格形成なんかにも役立つんじゃないか?と。部活こそが生きたアクティブラーニングなんだと。

なので部活を応援したいなと思ってます。現状の教育環境やカリキュラムを理想的なモノにするには多分十年単位で時間がかかるだろうから、自分ができることとして何とか実現してみたい。だってそうじゃないと僕の子どもには間に合わないから。

ゲーム制作に関してなら色々教えてあげれることがあると思うので、もし話を聞いてみたいという人がいたらぜひ連絡ください。

DVD、Blu-rayのオーディオコメンタリー

最近は映画はNetflixなどの配信で観ることが増えましたが物理的なディスクの映像ソフトには様々な特典があるので今でもちょくちょく買ってます。特典の中でもお気に入りなのは監督やプロデューサ、脚本家や役者さんが作品を流しながらエピソードを披露してくれる「オーディオコメンタリー」です。役者さんがどのように演じたのかなど語ってくれるのも興味深いですが、やはり画面には出てこない裏方である監督や脚本家がどのように考えてこんな展開にしたのか?やキャラクター造形について語ってくれるのが一番興味深いです。

最近は役者にせよ声優さんにせよ「演者」に注目が集まる傾向があるような気がしますが、僕が子どもの頃は「メイキング」の本が出版されたり、特番が組まれたりが多かったように感じてます。また先ほど書いたように「配信」がメインになってくると作品自体は見れるけどメイキングなどの裏方を垣間見れる機会が減ってしまうように思います。

どうやって映画を作るのか?どんなところに苦労があるのか?などを知ることで「やってみたい」というクリエイティブな感情が育成されるのではないかなあと感じているんですが、どうでしょうかね?裏方を見ることがないとそれにあこがれることも少なくなってしまうんじゃないかなあ?

これからは答えのある定型的な問題を解く人間よりも、明確な回答のないクリエイティビティが求められる時代になっていくと思いますので、クリエイティブにあこがれる機会を作ってあげるのがいいのかなあ?と子どもにはなるべくそういうものを与えるようにしています。舞台裏を明かすわけですから夢がないと言えばそうなんですけども。

ゲーム開発者に学歴は必要か?

先日facebook上で「ゲーム開発者に学歴は必要か?」という議論を見かけました。実際幾つかの中学校や高校で講演をした際に似たようなことを聞かれた記憶もあります。で僕なりに周囲を見て考えてみました。

結論としては

1)理系の学部であればプログラマとしては有効な学歴となるケースが多い

2)誰でも知ってる難関大学であれば「受験勉強をして合格した」というレベルの「計画的に努力できる」素質はあるとみなされるので多少は有効

3)学歴がどうあれ他人が評価できるレベルの創作物(ゲームが最適だが演劇でも漫画でも何でも良いから発表して世間の評価を受ける)を複数作っているのは「モノづくり」の大変さも面白さも分かっていると評価されるのでかなり有効

かなあと思いました。

1)に関して現在は学校でプログラム教育をしていますが、ゲーム屋のプログラマには高等数学が求められるケースが増えているので理系に進学するレベルの数学や物理での知識はあると有利かなと思います。

2)に関してかつて僕が勤めていた会社で超有名校の優秀な学生を面接したことがありますが、確かに優秀ではあるけどゲーム制作経験自体は全くなかったので向いているかどうか判断できなかったんですよね。頭の回転も速いし前述のように計画的に努力できるタイプだとは分かっていたのでおそらく入社したらそれなりに活躍できるだろうとは思いましたが、一応「もしかするとあなたには合わない業界の可能性もある。今まで自分が得意としてきたことが生かせないかもしれないのでよく考えてくださいね」と伝えたことがあります。

3)はとにかく数が重要で、できるだけたくさんの作品を、なるべく多人数で制作し、世間に公表してフィードバックを受けるということをしてもらいたいと思います。こっそり自分だけで作って誰にも見てもらわないなんてのはほとんど意味がありません。※自分のクリエイティビティ向上や趣味としてはいいと思いますが。

僕が面接官をしていたころは「ゲームにかける情熱だけはだれにも負けません」みたいなことを言う人が沢山いましたが、おそらく今ならこう問い返すでしょう。「で、その情熱で今まで何本のゲームを作ってきたんですか?」と。昔と違って今はネット上にフリーの開発ツールも教材も転がっている状況ですから、情熱がある人なら何らかの形でゲームを作ってるはずなんです。なのでそれができてない段階で大した情熱がないと思われるでしょう。

将来ゲーム開発者になりたくて進学を悩んでいる人の参考になれば幸いです。

ペアレンタルコントロール使ってますか?

ゲーム機やスマホタブレットの「ペアレンタルコントロール」って使ってますか?Switchなら「みまもりSwitch」、iOSなら「スクリーンタイム」という名前がついていますが要するに親が子供のデジタル機器の使い方をコントロールするものです。機器により制御できる機能に細かい違いはありますが、使える時間の指定やアクセスできるコンテンツ・機能の制限はどの機器にもあります。

たまに「野放図にゲームをしてて困る」とおっしゃる親御さんに相談されることもありますが、ペアレンタルコントロールのことをお話ししてもご存じない方が結構いらっしゃいます。遊べる時間の制御は基本的な機能ですのでどの機器であってもコントロールできるはずですが、その情報を知らないので子どもにしてやられてしまってる訳です。

各社一生懸命開発したものですのでぜひ使ってほしいと思います。このブログでも機器ごとの細かい設定方法やオススメの使い方をまた紹介いたします。個人的に感心したのは任天堂の「みまもりSwitch」で時間制限したうえで「ソフトを中断する」というボタンがあります。この「ソフトを中断する」をオンにすると制限時間が来ると突然問答無用でゲームがスリープ(中断)するんですが、オフにすると制限時間が来てもゲームを続けることができます。それじゃ何の意味もないんじゃないの?と思う方もいらっしゃると思いますが、ゲーム画面の左上に警告が表示されるようになっています。「もう制限時間は過ぎてますよ」と常に教えてくれるわけです。

これは自制心を養うには最適の方法で「(あなたはいつまでもゲームを続けられるけど)自分でやめれますか?」を子どもに問いかけているわけです。僕は基本的には「ゲームを中断する」をオンにしていますが、子どもとよく話し合ってたまにオフにします。そのときには「ゲームを強制的にスリープしないようにしたけど、自分でやりすぎだと思ったら電源を切ってね。もし自分で切れないようだったらまた強制スリープに戻すよ」と伝えます。

自分で自分を律してほしいなと思っています。

大学の先生になったよ!

教育自体に興味もあり、数年前から専門学校でゲームの作り方を教える授業を週一でやらせてもらってましたが、ご縁がありこの春から大学で教えることになりました。といっても僕が教えられるのはゲームの作り方だけ。(まあゲームの作り方の延長線上で作れるものはたくさんありそうな気はしてますが)

 

今年の春に開校したばかりの新設校で僕の担当の授業は三年生からのため今のところ授業はまだ始まってないんですが、学生との交流はかなりあります。このブログもちょっとお休みしてましたが心機一転で書いていこうと思います。

 

ブログのタイトル通り、学生の皆さんの「遊びスイッチ」をくすぐって新しい才能を送り出せたらいいな、と思っています。なので今後は低年齢のお子様向けの内容とハイティーンのお子さんをゲーム開発者を導くような内容で書き分けていこうかなと考えています。